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こんにちは。文章と会話の専門家、放送作家の渡辺龍太(@wr_ryota)です。

 

怖い上司とか、初対面の異性とかと会話が続かなくて、『イヤ〜な沈黙』が流れたりする事ってありますよね。

 

私も放送作家が駆け出しだった頃、会議で自分の発言の後に沈黙が流れたりすると・・・!?

 

たった数秒の沈黙だったりするんですが、精神的には1時間くらいに感じるほどダメージを受けてしまいがちでした(笑)

 

そして、ただでさえ話しにくい相手に対して、ますます何を話してよいか分からなくなってしまって、額からは冷や汗が・・・。

 

という以前の私のような感じになってしまう人も、大勢いるのではないでしょうか。

 

でも、心配無用です。

 

実は会話が続かないというのにも、ハッキリとした原因があるんです。

 

それも、たった1つのシンプルな事!

 

 の、ちょっと売れているタレントさんなら、誰もが使っているテクニックですが分かれば・・・!?

 

一瞬にして会話が続かないという恐怖から解放されるんです! 



 

会話が続かない人の3つのパターン

まず、どんな人の会話が続かないのかと言うと、たいがい次の3つのパターンに当てはまる人が会話に参加している時です。

 

自分の話ばかりする人

例えば、自慢ばかりする上司のジマオと、平社員のヒラオの会話を考えてみましょう。

上司・ジマオさん
この前、奥さんとゴルフに行って、90切ったんだよ。
平社員・ヒラオさん
(ゴルフ分からない・・・)そうなんですか。凄いですね!(苦笑い)
上司・ジマオさん
やっぱり、かなりお金かけてスクールに通うと、ゴルフも全然違うんだよ〜!
平社員・ヒラオさん
(収入自慢か・・・)スクールですか。凄いですね!(あいそ笑い)
上司・ジマオさん
ヒラオくんも、ゴルフスクール行くといいよ。でも、平社員だとお金の余裕がないのかな、へっへっへ(笑)

(苦笑だけの沈黙)

平社員・ヒラオさん
えーと、そろそろ仕事戻りますね・・・。(心が閉じる)

 

 

会話相手を立てすぎる人

次に、同じジマオが相手でも、ヒラオがジマオの話を立てすぎるパターンで考えます。

上司・ジマオさん
この前、奥さんとゴルフに行って、90切ったんだよ。
平社員・ヒラオさん
90ですか!?いやー、凄い。ジマオさん、プロ目指してたんですか?
上司・ジマオさん
(バカにしてる・・・?)90ぐらいでプロって事もないだろ(苦笑)
平社員・ヒラオさん
いや、凄いですよ。ジマオさん、仕事だけじゃなくて、ゴルフの腕もプロ並みとか、やっぱり尊敬しちゃうな。
上司・ジマオさん
(俺、社内で仕事できない方で有名じゃん。バカにしてる・・・?)そうか・・・。

(数秒の沈黙)

平社員・ヒラオさん
すみません。忙しいので、仕事に戻りますね。

 

共通の話題が無い人

このパターンも、ジマオとヒラオで考えてみます。

上司・ジマオさん
この前、奥さんとゴルフに行って、90切ったんだよ。
平社員・ヒラオさん
(無愛想に)僕ゴルフとか、全然興味ないんですよ。すみません。
上司・ジマオさん
(少し動揺して)そうか。ゴルフはオジさんのスポーツかな。あはは(笑)
平社員・ヒラオさん
そうですね・・・(苦笑)
上司・ジマオさん
だな・・・(苦笑)

(イヤ〜な感じの数秒の沈黙)

平社員・ヒラオさん
もう行っていいですか?

 

 

会話が続かない原因は『会話の目的不足』

この3つのパーターンの人に共通している問題は、たった1つです。

 

それは、この人たちには『会話の目的』というのが無いか、変なんです。

 

人はなぜ会話をするのか!?

そもそも、人がなぜ会話をするのかというと、『他人と情報のキャッチボール』をする必要があるからです。

 

なぜ、キャッチボールをする必要があるのかといえば、会話の参加者全員を巻き込んだ目的があるからです。

 

例えば、『相手の事を知りたい』とか『相手に○○について聞いてみたい』とか、そんな単純な事です。

 

そういった会話の参加者全員に関わる目的がないと、会話というキャッチボールが成立しなくなってしまうのです。

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会話というキャッチボールの成立要件

そして、キャッチボールが成立するには、次の4つがそろっていなければなりません。

 

  1. キャッチボールをする意思
  2. 球(話題)
  3. 相手に球を投げる
  4. 相手の球を受ける

 

でも、会話自体の目的が無い人が会話をしようとすると、この4つの要素のバランスが必ず崩れてしまいます。

 

会話が続かない3パターンの人について、ちょっと考えてみましょう。

 

自分の話ばかりする人

この人は、会話の参加者全員に関わる目的を持っていません。

 

というか、この人は、キャッチボールの『相手に豪速球を投げる』という、自分が何かアクションを起こすという事にしか興味が無いのです。

豪速球イラスト

 

相手の取りにくい球だったり、相手が投げ返そうとしようとしても関係なく、相手にガンガン球を投げていくスタイルです。

 

ここまで相手に対して興味がなければ、キャッチボールが成立しないのは当たり前ですね。

 

会話相手を立てすぎる人

この人の会話の目的は、『他人に絶対に悪く思われたくない』、というものです。

 

一見すると、それは会話の参加者全員に関わる目的のように思えますが、実は『自分が他人にどうみられるか』という事しか考えていないのです。

 

つまり、この人は相手が何を考えているかを無視して、キャッチボールの要素の『球をキャッチする』という事しかしないのです。

キャッチにしか興味が無い人

だから、相手が速い球を投げているわけでなくても、スライディングで取ってみたりとか、いちいち派手な事をしてキャッチします。

 

そんな調子なので、やはり最後は、相手も自分も疲れて会話につまるのです。

 

共通の話題が無い人

共通の話題を探そうとしているのに、沈黙が生まれるという時もありますよね。

 

この場合、お互いの会話の目的はあるように見えます。

 

だけど、実際は、会話相手を立てすぎる人と同じように、『変な話題で恥をかきたくない』という意思が強すぎるのです。

 

その結果、『変な球を投げたくない』、『変な投球フォームを見られたくない』とか自分の見られからばかり考えているうちに、お互いの使用可能な球を見失ってしまうのです。

 

この人も結局、自分の事にしか興味を持っていないのです。

自信の無い人

 

目的の無い人の会話が、成立しにくいのを実感しよう

さて、ドラマでもバラエティーでも、面白いと感じる会話をテレビで見て、ちょっと分析してみてください。

 

面白い会話をしている人には、それぞれに必ず目的が明確にあるはずです。

 

だから、逆に言うと僕ら放送作家は、テレビの出演者同士の会話を成立させるため、それぞれにあらかじめ目的を用意します。

 

というかむしろ、会話の目的が無いキャラクターだけが存在しているだけでは、放送作家でも会話を書くこと難しくなってしまいます。

 

目的の無い登場人物の会話は書けない

ここで、あなたも少しだけ、放送作家気分を味わってみてください!

 

会話に目的がある人物、全く無い人物のセリフ、どちらが早く思いつくか一緒に考えてみましょう。

 

もし、少年と母の会話で、3回くらいのやりとりで簡単に終わるシーンを考えてくださいと言われたらどうでしょう。

 

少年
お母さん。
何?
少年
えーとね。・・・。
・・・。

 

こんな感じで、すぐには思いつかない人が多いと思います。

 

一方、『母から外出許可を得たい』という目的がある少年と、『子供のテストの点数を知りたい』という目的がある母親の会話と言われたらどうでしょう?

少年
いってきまーす!
ちょっと待ちなさい!この前のテストはどうだったの?
少年
何のテスト?待ち合わせ遅れるから、帰ってきたらでいいでしょ。
ごまかすんじゃないの。保護者会で算数のテスト返したって先生が言ってたよ。
少年
ごまかす?とりあえず、帰ってきたらね。行ってきまーす!(と、外出)
もう、ちょっと!待ちなさいってば〜。(と、ため息)

というように、テキトーにでも、割と早めに何かしら台本が浮かぶはずです。

 

それだけ、会話にとって目的というのはメチャクチャ重要で、それが無いと言葉に詰まってしまうのも当たり前なのです。



 

会話の目的の設定方法

ということで、会話が続かなくて悩んでいる人は、自分の『会話の目的』を用意するだけで、悩みが一瞬で解決するという事を分かっていただけたと思います。

 

本当に、それだけの、たった1つの事を意識するだけで十分なのです!

 

では、次にどうやって会話の目的を設定したら良いのかを説明します。

 

会話を始める前に『相手を取材するんだ!』を目的としておく

前半で説明してように、会話が続かない原因は自分の事ばかりに関心が向いているからです。

 

なので、当たり前の事なのですが、会話を通じて『相手を知りたい』というのが目的だと強く意識してみてください。

 

感覚的には、何らかの取材のような感覚でいると心が落ち着くと思います。

 

例えば、目的もなく散歩をしている時に、警官から『どうされたのですか?』と声をかけられたら、ちょっとたじろぎますよね。

 

でも、目的地があって道に迷ってしまった時に、警官から『どうされたのですか?』と聞かれても、落ち着いて『道に迷ってしまって』と答えられます。

 

こうやって、とにかく『相手を取材するんだ!』という意識を持つだけで、気まずい気分からだいぶ解放されるはずです。

 

 

自分をさらけ出して『相手を知るための話のダシ』にしよう!

次の段階として、『相手の興味のある話題を探す!』という取材をしているんだと自分に言い聞かせましょう。

 

あんまり積極的に話してくれるタイプの人でなくても、いろんな角度から話を振っていくと、割と話してくれるトピックにぶち当たります。

 

そういう取材的な心構えで入れば、あまり居ても立っても居られないような気分にはなりません。

 

そして、会話のトピックの切り口としては、『木戸に立てかけし衣食住』というのが有名です。

 

キ・・・気候・季節・気温
ド・・・道楽
ニ・・・ニュース
タ・・・旅
テ・・・天気・転職
カ・・・家庭
ケ・・・景気・健康
サ・・・酒
セ・・・セックス(大人の話)
シ・・・趣味
衣食住

 

この中のトピックを、相手の反応が良さそうな物から、会話をして探っていけば良いのです。

 

そして、こういう話題を振った時に大切な事は、『自分をさらけだす!』という事です。

 

何らかの話してくれそうなトピックを見つけたら、『私は○○と思うんですが、どうおもいますか?』という形で自分の事を話しましょう。

 

自分の話をするのは、あくまでも相手の話を引き出すためです。

 

相手に質問ばかりしてては、尋問のような感じになってしまいますし、逆に、自分の話ばかりでは相手は心地よくありません。

 

あくまでも、『自分の話は相手の話を引き出すダシ』と考えておきましょう。

 

 

自分の気持ちを偽ってはいけない!

最後に、とっても大切な注意点があります。

 

必ず、自分の心に正直になってください!

 

本心で『相手を知りたい!』と思うか、もしくは、そう思えるトピックを選ぶ事が肝心です。

 

人間という生き物は、実に敏感です。

 

ぜんぜん本当は興味がない事を相手に質問しても必ずバレます。

 

なので、相手は決して話にのってきません。

 

嘘はバレる

例えば、あなたがゴルフ好きではないのに、年上の上司に合わせてゴルフ好きのフリをするとかは絶対ダメです。

 

もし、あなたにゴルフに興味が無いのなら、自分の心に忠実に聞ける失礼で無い、こんな質問を考えれば良いのです。

 

『○○さんは、何歳くらいの頃からゴルフやってたんですか?僕の同年代は、まだやってる人が少なくて、やる機会もなくて、あんまり良く分からないんですよ〜。』

 

こんな感じなら、自分も相手の話に興味を持てますし、相手に対しても失礼ではありませんよね。

 

そして、人は自分の好きな事を語るのは大得意なので、ゴルフ好きの上司はきっと、何で自分がゴルフを始めたかなどを、生き生きと語ってくれるはずです。



 

まとめ

会話が続かないと悩んでいる人は、相手に興味を持ってない人が多い。

 

そのせいで、相手と自分が情報のキャッチボールを行う『会話』が成立しなくなる。

 

だから、たった1つの事を意識するだけで、会話が続かない悩みが解消!

 

それが、『会話に目的を持たせる!』という事。

 

相手に興味を持って、取材をする感じで、自分をさらけ出しながら会話をしていきましょう。

 

そうすれば、もう『会話が続かない』という悩みからは解放されます!

 

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