さくらももこさんが、亡くなったというニュースが数日前に流れました。そのため、今、多くのニュース番組で、さくらさんの人生を振り返るような特集が組まれています。
それを見ていて、改めて思った事があります。それは、『憧れの職業には就いてはダメ』という事です。以前にも、似たような事を書いた気がするのですが、自分自身にも言い聞かせたいので、改めて書く事にしました。
さくらさんは、少女漫画家になりたかったそうです。もちろん、『ちびまる子ちゃん』で、その夢を十分に叶えていると人は言うでしょう。しかし、幼少期のさくらさんは、もっと、典型的な少女漫画を書きたかったそうなのです。
しかし、さくらさんの描く、いわゆる”典型的少女漫画”は、あまり評価されなかったそうなのです。だから、さくらさんは、”典型的な少女漫画家”という、憧れの職業に就く事をあきらめたそうなのです。
それでも、さくらさんは自分にしか無い3つの能力(始めは興味だったはず)を持っていました。
それは、”少女漫画家を目指して努力してきた絵のスキル”、”エッセイを書ける鋭い目線(学生時代に表彰されたそうです)”、”お笑い”という、3つです。
これでお分かりですね!この3つの能力が、全てそろった事で、『ちびまる子ちゃん』が誕生する事になるのです。
『憧れの職業に就く』は、他人のモノマネの可能性が高い
私も含め、人はついつい、『憧れの職業』に対するあこがれが強すぎて、『自分にしか出来ない事をやる』という事を忘れてしまいがちになってしまいます。
例えば、私の例で恐縮ですが、私はお笑いが好きで、お笑い芸人になりたいと子供の頃に思っていたのです。しかし、あまりネタが好きじゃなくて、テレビで自由にアドリブトークをする、お笑いタレントの掛け合いが好きだったんです。
だから、ちょっとお笑いや演劇もカジッてみましたが、そもそも、ネタに対する思い入れとか、情熱が足りなすぎて酷い事しか出来ませんでした。
自分で手応えがあったのは、アメリカに留学して、インプロ(即興)というアドリブトークのテクニックを習った事です。
これで、私はアドリブトークなら、相当レベルが高くなったと思ったものの、テレビはネタで評価された人しか出してくれないわけです。
そのため、何となく、テレビの近くにいたいと放送作家をやったり、他の事をカジッてみたり、エネルギーはあるのに、歯車の噛み合わないような時期を何年も送っていました。
しかし、ある時、もう『テレビにお笑いっぽい感じで出たい』という夢を捨てようと決心した事があるんです。そして、インプロ(即興)の先生として、アドリブトークのコツを人に伝えていく活動をはじめました。
そしたら、逆に、色々な所から声がかかって、急に活動の幅が広がったのです!
その理由は、”放送作家としての経験”、”留学してインプロを学んだ経験”、”ネタや演劇で挫折した経験”を持つ私という存在が珍しく、他の人に語れないような事を語れたからだと思います。
つまり、私の道がひらけた理由は、『憧れの職業を追い求めた』からではなく、『自分にしか出来ないことを始めた』からなのです。
『憧れの職業を捨てるべき』の法則の例
超大御所のさくらももこさんと、今日、偶然HPを見かけて存在に気づいた私という人間の例だけでは、私の論に根拠があるように思えないという人もいるでしょう。
他の人の例でも検証していきます。
鳥山明さんは、本当はAKIRAのような、漫画を書きたかったそうなのです。しかし、そういう『あこがれの職業を目指す』という名の、他人のモノマネをしていた時は、目が出なかったそうなのです。
しかし、鳥山さんは、機械の絵などには、とっても定評があったそうなのです。そこに、自分の得意なギャグという要素が加わり、AKIRAなどとは、全く違うテイストの漫画が誕生しました。
それが、オジサンと眼鏡の女の子が主人公の、Dr.スランプあられちゃんです。あられちゃんは、鳥山明さんにしか書けない作品だから、大ヒットしたのでしょう。
次に、漫画家ではなく、ビジネスで成功されている人も紹介します。私のブログの先生でもある、ブログマーケッターの松原潤一さんです。
※松原さんのブログ:ジュンイチのブログ
現在、松原さんは、分かりやすいイラストなどを駆使したブログのやり方の解説をされていて、大変人気の先生です。
しかし、松原さんは、もともと、漫画家を目指していたそうなのです。(また漫画の話でしたwww)そして、挫折してしまったそうなのです。
その過程は、御本人のブログ記事に詳しく書かれています。
その後、松原さんは、松原さんにしかない『説明が上手』『絵が上手』『コツコツと継続する事が得意』『人を育てるのが好き』『親切』という5つの要素を全て生かして、ブログの先生になる努力をされてきたように見えます。
その結果、他にはいない、人気のブログの先生になる事が出来たのでしょう。
もし、松原さんが今でも、『あこがれの職業に就く』という名の、他人のマネをし続けていたら、現在よりも成功していな可能性の方が高いのではないでしょうか。
もちろん、イチロー選手のように、初めから野球選手になりたくて、本当に大成功する人も中にはいます。ですが、大半の人は、そうはいかないと思います。
というわけで、『憧れの職業に就く』という目標を追い求めていて、頑張っているのに結果が出ないなら、『自分だけしか出来ないことをする』という方向に発想を転換をする事も大事なのではないかという話でした。
松原さん、勝手に分析して、勝手に紹介してスミマセンwww