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この本の触りを読みたい方は、ぜひ、私のダイヤモンド・オンラインでの連載をお読み下さい。こんにちは。文章と会話の専門家、放送作家の渡辺龍太(@wr_ryota)です。
今日は、自費出版を考えている人に、割りと強めの爆弾を落としたいと思います。
私はメインに放送作家として活動していますが、単行本づくりも何冊も行ってきました。
そして、その過程で『自費出版の会社しか相手にしてくれない著者に価値は無い。つまり、自費で出版しても売れるのは宝くじと同じ』という結論に達しました。
特に、何百万も払うような、高額な自費出版プランであればあるほど、ハッキリ言って、全く出版の意味が無いと思います。
という事で、今回はネットに溢れる、文芸社、幻冬舎などに対する批判的な記事を分析し、自費出版の問題点を探りたいと思います。
文芸社などの自費出版企業の評判が悪いのが当たり前
まず、自費出版の著者は何を実現したくて、何百万円も払って自費出版を行うのでしょうか。
それは、良い本を作って、1冊でも多くの本を、多くの人に読んでもらう事だと思います。
一方、文芸社のような自費出版の企業の目的は何かというと、『1冊でも多くの出版点数を増やす事』になるはずです。
つまり、著者と自費出版の会社では、『お客さん』が違うのです。
分かりやすく言うと、著者は読者の払うお金から利益を得る必要があります。
しかし、自費出版の会社は、『自費で本を出版する著者』から利益を得るわけです。
だから、著者が一生懸命『本を売りたい』と思っても、自費出版の会社は『全く別の景色を見ている』という事が頻発するわけです。
これでは、頻繁にトラブルが起きるのも当たり前ですよね。
文芸社の評判は悪い!ネット上にあるトラブルまとめ
では、自費出版大手で、自社ビルも保有する文芸社のネットの評判を分析してみたいと思います。
共同出版・自費出版の被害を無くす会
共同出版・自費出版の被害を無くす会には、文芸社の『共同出版』というシステムについての批判が書いてありました。
共同出版とは、表向きには、著者と出版社が共に金銭を負担することで、出版をするというプランです。
なぜ表向きにはと書いたかというと、『共同出版』も200万円の支払いが必要なわけで、事実上は『自費出版』だと解釈すべき方式だと思うからです。
では、具体的トラブルを引用してみます。
Cさんは3年前、文芸社の営業マンから「良い作品は共同出版で、中身のない作品は自費出版しかありませんが、会議であなたの作品は、自費出版でなく共同出版に決まりました。大変評価が高いですよ」と電話があり、「200万円くらいかかりますが相場です。でもよい作品はテレビドラマや、全額返金もあります」と説明され契約をしました。
契約をしたら、契約前後は度々あった電話やメールがピタリと止まりました。本が出版される頃になって、「直接本屋さんに営業に行ったり、本が置かれているかどうかを確かめたりしなで下さい」などと書かれた文書が届き不審に思っていたところ、友人から、一部の書店では棚に置かれていたが、一部の書店では目立たない隅の棚やレジの下にあったと聞かされ愕然としました。
さて、このトラブルを、文芸社の立場になって分析してみましょう。
文芸社としては、著者に200万円を払わせる事が最終目標です。
それが目標であれば、著者に明るい未来を見せて、何とか勢いでお金を払わせるような謳い文句を並べるはずです。
この時のポイントは、テレビドラマなどの展開を語ることです。
それは、嘘ではないのかもしれませんが、確率的には非常に低いことです。
例えるなら、甲子園にも出れなかった野球少年に、メジャーのスカウトに合せてやるから200万円払わないかと聞いているような確率と言ってよいのではないでしょうか。
ちなみに、文芸社の場合は、共同出版というのが特別な事と思わせるために・・・!?
『特別賞』とか、そんな名前をつける事もあって、著者に『自分の文章は特別なんだ!』と思わせる工夫もしているらしいです。
実にきな臭いですね・・・。
鬼蜘蛛おばさんの疑問箱
次に、文芸社を刑事告発したという方の『鬼蜘蛛おばさんの疑問箱』というブログを覗いてみましょう。
編集費は760,352円となっていたのだが、編集者はほとんど編集作業らしきことをしないまま印刷所に回してしまった。手抜き編集などで制作費の水増し分を大きくすればかなりの利益が得られ、文芸社はなにも費用負担しないで済む。つまり、本が一冊も売れなくても利益が得られることになるのだ。
このブログの冒頭で書いたように、文芸社が著者が支払ったお金で利益を得ていると指摘しています。
編集作業をすればするほど、文芸社に残るお金が減るので、編集作業をしないのは当たり前ですよね。
そして、この方は、文芸社は契約時には、本が売れないと文芸社も利益が出ないというような嘘をついているのが詐欺だと告発したそうです。
いずれにせよ、基本的に自費出版の本は、売れる事を想定して作られていないと言えると思います。
なぜなら、ものすごい有名人の本を、大手出版社の百戦錬磨のベテランの編集者が渾身の込めて担当しても、売れない本というのがあるわけです。
それにも関わらず、素人が初めて書いた本が、編集、手直しも無く、大掛かりな宣伝もなく、売れると思っているとしたらオカシイです。
この方の刑事告発では、文芸社は何のおとがめなしだったそうですが、きな臭い事は確かなので、関わらないほうが良いと私は思います。
自費出版ではなく、大手出版社からの商業出版を目指そう!
では、本を出したいという夢がある人は、自費出版がダメなら、どうしたら良いのでしょうか?
私のオススメは、商業出版を目指すことです。
実際、私は今は潰れた出版社から本を出したり、超大手の出版社とも仕事を一緒にしました。
そこで分かるのは、大手であればあるほど、『プロの編集・プロの営業』がタッグを組んで、知恵を絞りながら、本当に良い仕事をしているという事です。
そういう人たちから、『一緒に仕事がしたい著者』にならなくては、絶対に、世の中に響く本は作れないと思います。
では、具体的に、どうしたら大手出版社と関わるような著者になれるのかというと・・・!?
出版エージェントのセミナーなどで、自分の実力を磨くしかありません。
ただ、自分の思った切り口で、思ったように書いて、一発で出版社が認めてくれる事なんて、ほぼ無いでしょう。
エージェントと相談しながら、自分の知っている知識で世間が知りたいことは何かなどを、徹底的に考え抜く作業が必要です。
もちろん、それは、非常に手間がかかることですから、そういう出版系セミナーも非常に高いです。
しかし、自費出版で何百万も使い、『自分の文章や企画の何が良かったのか、悪かったのか』も分からないでお金をドブに捨てるよりは・・・!?
セミナーに出て、自分の強み・弱み、世間の需要などをキッチリ聞いてくるために、お金を使ったほうが得策です。
仮に、出版に至らなかったとしても、得るものは、それなりにあるはずです。
さて、最後に、そういう出版セミナーをやっている所を紹介しようかと思いましたが、止めておきますね。
もし紹介すると、今回の記事が、そういう出版セミナーを勧めるアフィリエイトみたいに見えてしまいますから。。。
という事で、もし考えていたとしても、自費出版は止めておきましょう!
そして、もし本を出したいなら、普通の出版社が相手にしてくれる実力を付けましょう!
まとめ
出版には商業出版、自費出版がある。
そして、自費出版はやはり評判が悪い。
実際、文芸社という自費出版の大手の評判をネットで調べると、警察ざたに人がいるぐらい評判が悪かった。
そこまで評判の悪い会社と関わるのは、どう考えてもおすすめできない。
では、一般の人が、どうやって商業出版すべきなのかというと、出版セミナーなどで地道に努力するしか無いと思う。