最近、『不登校をして大正解』という記事を読みました。しかし、偏屈な私は、全く同意出来ないというか、少し言葉が足りないような気がしました。なぜなら、不登校をしないという決断をして、それが大正解だった人も大勢いるからです。
つまり、私が言いたい事が何なのかというと、『自分の下した決断』というのが大正解であるべきなのであって、『不登校=大正解』という考え方は、少しズレていると思うのです。
他人と自分の考え方は違って当たり前
例えば、私は学生時代、テレビばかり見ていました。そんな生活をしていたので、もちろん、一流大学などには行けるはずもなく、レベルの高くない感じのアメリカ留学をしただけの、典型的なドラ息子タイプの人間です。
しかし、私は、一流大学を目指さず、ゆるく生きて来た自分に後悔はありません。むしろ、周りの大人から怒られながらも、自分の見たいテレビを見て、行きたい国へ行って、色々な人々に出会って遊んだ事が、現在の放送作家でありインプロ講師である自分を形成したと思っているからです。
ですが、私の父親は、私の人生に対して、全く別の感想を持っているようです。
私もとっくに30歳を超えていますし、著書を出版するほど、自分の専門分野を見つけて真面目に働いています。それにも関わらず、今でも、私の父親は『余裕が出来たら、一流大学で体系的にきっちり勉強をし直す機会を持ったほうが良いんじゃないか?』と、哀れんだ目で私に語るわけです。
私の父親は、『一流大学を出ていない人は、あまり信頼されないから、大幅に人生を損してしまう』という強い信念があるようです。ですから、私が何をしようと、一流大学を出ていない私のやる事なんて、胡散臭くしか見えないのでしょう。
でも、私は父親とは別人格で、全く違う価値観を持った人間です。ですから、父親がいくら私に、親父の価値観を語ろうと、『一流大学に行かなかった』という人生を選んだ自分の決断に後悔はないわけです。
学校に行きたくないなら、自分の心に正直になれ
さて、話は不登校に戻ります。推測ですが、不登校をしようかどうか悩んでいる人の多くは、誰かに『不登校は正しい』と言ってもらって、自分の決断を後押ししてもらった上で不登校をしたいのかもしれません。あるいは、『不登校をする』という決断が出来ずに、それが原因で悩んでいるのかもしれません。
しかし、私は思うのです。どっちに転んでも、無意識にだろうと自分の下した決断なら、それを支持すれば良いじゃないかと!
それに、多くの人は、本当に切羽詰まったら、割と正しい決断が出来ると思うんです。だから、不登校を本当に決断するほど、学校が嫌いになった人は、不登校が正解なんでしょう。そして、不登校を完全に決断しきれないという人は、それが、その人にとっての正解であって、『不登校をしない=不正解』ではないと思うのです。
肝心なのは、自分の下した決断を正解と信じられるかどうかじゃないでしょうか?
もし、私が自分の下した決断を信じられず、父親の言うことに影響を受けているのであれば、親父に合う度に後ろめたい気持ちになって、憂鬱に生きているのかもしれません。
もっと下らない例でも考えてみましょう!
例えば、昼にカレー屋に入ろうか、うどん屋に入ろうか迷っていたとします。そして、あなたは、カレー屋に入りました。
その帰り道、うどん屋かが友人が出てきて、『今日は、半額デーだったから得しちゃったよ!』と言ったとします。その時に、『えー、だったら、うどん屋に行けばよかった〜。』と自分の決断に後悔する人もいるはずです。
一方で、『半額デーだと、うどん屋は混んでるだろうから、カレー屋でゆっくり昼が食べられてよかった!』と、自分の決断を肯定的に捉える人もいるでしょう。
誰が見ても、自分の決断に自信を持てる人の方が、楽しく生きて行けそうなのは、明らかじゃないでしょうか。
というわけで、もし、この記事を『不登校にすべきかどうか?』で悩んでいる人がいたら、ただ、自分の心に正直に生きるようにしたら良いと思います。そして、自分の決断が正しかったと自分に言い聞かせましょう。
そうすれば、現状よりは、悩みが消えて、楽しく生きていける気分になれるって人も多いと思いました。
学校に行きたくないもインプロ的に考えよう!
さて、ここからは、私がインプロ講師だという事を知っていて、インプロに興味のある人だけが読んで下さい。普通の学生さんなどは、特に読まなくて良いです。
今日は、何でこんなエントリーを書いたかというと、私はインプロを教えていて、主に即興トークの講師をしています。しかし、実は、アメリカなどでは、インプロを人生の指針にしている人がいるのです。
それについて、少し紹介しようと思いました。
即興トークを盛り上げるには、自分の目の前に起きている事に対して、即座に判断を重ねていく必要があります。それって、人生そのものに、似ていませんか?
そのため、アメリカなどでは、インプロの『あらゆる事をYesと受け入れる』という姿勢を参考に、人生をエンジョイしようと、よく言われているのです。
とはいえ、日本人には、これでは言葉が足りないような気がしました。日本人は、辛すぎる事も、積極的にYesと受け入れがちなので(笑)
ですから、今日は、不登校を引き合いに出し、自分の心に正直に生きて、そして、その正直な自分が下した決断をYesで受け入れようというインプロ的な話をしようと思った次第です。
この考え方を紹介した事で、何か抱えている悩み事が楽になった人がいれば幸いです。