あがり症克服の人体実験で学んだ!克服への3つのステップ

今となっては、『なんでだろ?』って感じですが、私は20代前半まであがり症でした。

 

学生時代、教室で先生に当てられて何かを言うのが、嫌で嫌でたまりませんでした。

 

でも、当てられても、ただでさえ小さい声が、さらに小さくなり・・・。

心臓がバクバク

心臓がバクバクして、ただ時間が過ぎるのを待つという感じ。

 

そして、ようやく次の人の番になると、貧血になりそうな感じで、どっと疲労感に襲われたものです。

 

でも、いろいろな事を試して克服しました。

 

それどころか、今ではプレゼンも講師もするし、テレビドラマに出たり、人前でモノマネとかも出来るくらいに図々しくなりました。

 

というわけで、今回はあがり症の克服方法について、書いてみたいと思います。

 

 

そもそも、あがり症って何?病気?

○○症といえば、病気の名前という感じですよね。

 

という事は、あがり症というのは病気なのでしょうか?

 

それとも、病気っぽい感じだから、そう呼んでいるだけなのでしょうか。

 

対人恐怖症 or 社会不安障害!?

実は、あがり症は病気として考えられていて、病院でも治療を行っているんです。

病院の図

諸説分かれるようですが、対人恐怖症や社会不安障害の前段階と言われているそうです。

 

他にも、男性 or 女性恐怖症・赤面症・吃音症とかに、割と近いとも言われているそうです。

 

実際、僕も医学的に治療ができるならと思って、病院へいって治療を試みた事があります。

 

治療の体験については、後ほど詳しく書きますね。

 

あがり症の症状

次に、あがり症が病気であるなら、どんな症状が出ると、医学的に定義されているのか見てみましょう。

 

アメリカ保健研究所(NIH)によると、次のチェックリストに当てはまる項目が多いと、あがり症(社会不安障害)の可能性が高いとの事です。

 

① 人前で、何かを言ったり行なったりすることによって、自分は恥ずかし思いをするのではないかという強い恐怖感がある。

② 失敗したり、他人から見られたり、また評価を下されることについて、常に怖い思いがする。

③ 恥ずかしい思いをするのではないかという恐怖のために、人と話したりすることができないし、やりたいこともできない。

④ 人と会わなければならないとき、何日間も何週間も悩む。

⑤ 知らない人に会う前やまた一緒にいるとき、顔が赤くなったり、汗をひどくかいたり、震えたり、吐きそうになったりする。

⑥ 学校行事や、人前で話すような状況など、人とかかわる場を避けることが多い。

⑦ 以上のような恐怖を払いのけようとして、飲酒することが多い。

 

昔の僕は、7項目、ずべてに当てはまっていたと思います。

 

完全に病気だったんですね〜!

 

 

あがり症の原因

次に、あがり症の原因を、科学的に知りましょう!

 

実は、あがり症の原因には2つの説があって、克服方法はそこを知らないとダメなんです。

 

①脳のメカニズムが原因

脳内には、人間の感情を司る、セロトニン・ドーパミン・ノルアドレナリンなどの神経伝達物質があります。

脳内物質の図

そういった物質が脳内に出る量によって、人間の感情は変わります。

 

一部の人は、そういった脳内物質のコントロールがうまくいってないそうで、それがあがり症の原因となるそうです。

 

それが原因の場合には、精神科や心療内科に行って、それをうまくコントロールする薬を処方してもらうしかないようです。

 

 

②心理学的なトラウマが原因

もう一つの原因は、心理的なトラウマが原因と言われています。

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例えば、子供の多感な頃に、大勢の前で派手に言い間違いをして笑われたとします。

 

そうした時に、それがきっかけになって、『次も言い間違えたらどうしよう!?』と、次に人前で話すのが怖くなってしまい・・・!?

 

さらに、そういう不安が原因で、また人前で話すことに失敗し・・・!?

 

と、そういう失敗の負のスパイラルを経験してしまい、すっかりあがり症になってしまうというタイプがあるそうです。

 

私は克服経験から、心理的トラウマ説を支持!

私が最初、あがり症を本格的に直そうと思った時、自分の脳がおかしいのだろうと思いました。

 

というのも、自分の過去に、何かトラウマがあるという自覚がなかったからです。

 

また、脳の物質をコントロールする錠剤を飲むだけで、あがり症が無くなるなら、楽チンだなとも思っていたんです(笑)

 

でも、僕の場合はトラウマが原因だったみたいで、病院の薬を飲んでも一切良くなりませんでした。

 

なので、もし自分にトラウマに思いあたる原因がないと思っているあがり症の人も、深く追求していくと、何かしらのトラウマ的なエピソードがある可能性も高いと思います。

 

私のあがり症克服体験談

ここで、私がどうやってあがり症を克服したか、恥ずかしい気もしますが、詳細を公開したいと思います。

 

僕はアメリカの大学の映画製作授業で、演技の授業がありました。

 

ほんの少し、皆の前で台本を音読するだけなのですが・・・。

 

その時に、自分でも『嘘だろ!?』と思うほど、メチャクチャ上がってしまったのです。

 

緊張が凄すぎて脳が止まってしまったのか、先生の話す英語が全く耳に入らなくなり、何もわからなくなってしまう感じでした。

 

さらに、その雰囲気に飲まれてしまい、気分が悪くなって、その場に座り込むような感じになってしまったのです。

あがり症イラスト

 

そして、散々だった発表が終わっても、その後、20分くらいは放心状態で次の人の発表が耳に入ってこないような感じ。

 

相当な重症ですよね(笑)

 

 

投薬治療を試みたが、特に効果はなかった・・・

さすがに、『これではいけない!』と思い、日本に夏休みで帰国した時に、心療内科の門を叩いてみました。

 

するとまず、『人前で話すとあがってしまいますか?』とか、色々書かれた問診票を記入させられました。

 

その後、お医者さんに、改めて同じような質問を2〜3個されました。

 

そして、ドクターとの3分くらいの会話を終えたら、『これ飲んで、様子を見てみてください!』と薬を渡されました。

 

私の出された薬は、SSRIという薬で慢性的な、抗うつ役でもあり、あがり症に有効な薬でした。

 

長期的に飲むと、あがり症がだいぶ改善されるという事でしたが、2〜3ヶ月飲んでみましたが、特にあがり症には効果なし。

薬の効果

それどころか、やたら眠くて副作用が強く、僕は薬による治療をあきらめました。

 

声に自信が持てないと気づいた

そうやって薬を飲みながら、『なんで自分は、こんなにも、あがり症なんだろう?』と自問自答を繰り返していました。

 

すると、他人より異常に、声が小さいのではないかと思ったんです。

 

実は、僕はあがり症でしたが、初対面の人であっても2〜3人が相手であれば、ほとんど緊張しません。

 

ですが、ちょっとうるさい居酒屋の様な声を張らなきゃいけない所だと、家族や知り合いが相手でも、憂鬱な気分になってしまっている自分に気づきました。

 

そして、人前で発表したり、教室で当てられたりした時も、頭の中は『大きな声を出せない!どうしよう!!』で占められいた事に気づいたんです。

 

だから、『とにかく、大きな声を出せる様になる!』という目標を掲げて、しばらくやってみる事にしました。

 

カラオケとジョギングで、あがり症を克服

僕の声の弱さは、相当ヒドかったと思います。

 

ウルサイ居酒屋にいるだけで、話し相手からは『何?』と何回も聞き返されてしまいます。

 

だから、一生懸命、自分なりに声を貼ろうとすると、30分もしないうちに声がかれてしまうのです。

 

一人ではどうしようもないと思い、発声教室に通ってみることにしました。

 

発声教室は体力がすでにある人向け

初めてボイトレ教室に行くと、息を吐いてとか、吸ってとか色々言われます。

 

でも、僕の場合、他の人に比べて、それが圧倒的に出来なかったんです。

 

よく先生が、『声は体の使い方を間違ってるから出ない』と言っていたのですが・・・。

 

僕の場合は、筋力自体が圧倒的にないんじゃないかと思いました。

 

週に1回30分だけ発声練習をしても、筋力の足しにはならないだろうと思い、すぐに発声教室をやめてしまいました。

 

筋トレ開始!

その後やったのが、カラオケとジョギングです。

 

暇さえあれば、車の中やヒトカラなどで、声が枯れても良いので、とにかく大きな声で歌ってみました。

 

他にも、肺活量を鍛えるために、ジョギングを週に3日ほど30〜40分くらいという感じでやり始めました。

 

すると、最初のうちは、カラオケを30分くらいしただけで、喉が痛いだけでなく、腹筋の筋肉痛にもなりました。

 

もちろん、ジョギング後には寝込んでしまうほど、疲れてしまいました。

 

ですが、177センチで53キロしかなかった体重も、56キロまでに増えて、声が徐々に出る様になってきたのです。

 

人前が少し楽になった

またアメリカの大学に戻ると、人前で発表しなくちゃいけない授業がありました。

 

でも、ちょっと楽になった気がしたんです。

 

今までは、マイクを使っても、マイクに声が乗りませんでした。

 

ですが、なんとかマイクを使えば、周りの人に分かってもらえる様になったのです。

 

そのために、頭の中の考えていることの比率が変わりました。

 

今までは、『声を出さなくては!』っていうのが、9割くらい占めていました。

考えていた事のグラフ

ですが、声が通るとわかったら、『何を言おうかな!?』とか、周りが何を行っているのかとか、そんな感じで考えられるのです。

 

そうすると、あらゆる部分に余裕が出てきて、あがり症がどんどんよくなっていきました。

 

そういう弱点克服の試行錯誤を半年くらい続けて、自分でもわかる効果を感じ始めました。

 

そして、あがり症を完全に克服したと感じるには、4〜5年くらいを費やした気がします。

 

 

あがり症の克服のための3つのステップ

最後に、あがり症に悩んでいる人に向けて、それを克服した私がオススメの3つのステップを紹介します。

 

①まずは自分があがり症になった原因を探る

一番初めに重要なのは、なんで自分があがり症になってしまったのかを考える事です。

あがり症自問自答イラスト

おそらく、子供の頃から、記憶にある範囲で全てあがり症という人は、きっと脳に問題があるはずです。

 

なので、すぐに病院に行って、根気よく薬物で治療したほうがいいいでしょう。

 

そうではない人は、過去に何らかの原因があるのです。

 

もし、この段階で何で自分が、あがり症になってしまったのか分からないという人は、一度、薬物治療を試してみましょう。

 

私の場合は、『声が出ない!』という事に気がつくまで、一度薬物治療を挟んでいます。

 

それで効果が無いと納得するまで、トラウマなんて、あるはずが無いと思い込んでいました。

 

私のトラウマ

余談ですが、私が声が小さくなってしまったトラウマを、ついに思い出した瞬間がありました。

 

ちょうど声変わりした頃、隣のクラスの好きな女の子に、『ウケる!声変わった。しゃべって!しゃべって!』と言われて少しイジられました。

 

それがキッカケで、なんとなく人前で大声をしっかり出して話すのが嫌になったんです。

 

そして、結局、後々まで、大声を出すのが嫌だっていう感情だけが残ってしまったようです。

 

そうやって、きっかけは忘れていましたが、そんな些細な事だったような気がします。

 

 

②いったん、あがり症のことを忘れる

トラウマを自分で見つけた人は、OKです。

 

でも、見つけられない人もいるでしょう。

 

そういう時は、自分が上がるシチュエーションになる時、何が下手なのかという事に注目しましょう。

 

何度も繰り返していますが、私には声が小さいという弱点がありました。

 

なので、自分があがり症だと思うなら、自分の何が下手なのかを真剣に見つけるようにしましょう。

 

おそらく、信頼できる人に自分について聞けば、『強いて言うなら〜、』という感じで、何かしらのアドバイスをくれるはずです。

 

その結果、『声が小さい』とか、『滑舌がよくない』とか、『話にまとまりがない』とか、色々な欠点が見えてくると思います。

 

それがわかったら、一旦、あがり症の事を忘れてしまいます。

 

そして、その弱点に対して、今日できる事は何かから始めて、コツコツと弱点と向き合います。

目標イラスト

私の場合は、大きな声を出す筋肉が全くなかったので、それを日々鍛えてみました。

 

そうやって、弱点を克服するという事に、しばらく情熱を注いでみましょう!

 

③弱点克服を楽しみながら、習慣化する事!

その時に重要になってくるのは、弱点克服を楽しむという姿勢です。

 

嫌な事は苦労しても意味が無い!

嫌な事って、やっぱり続か無いんです。

 

私の場合、声を大きくするために、何らかの台本を大声で読むというのを最初にチャレンジしました。

 

それが、何回やっても、何となく面白くなかったんです。

 

でも、一人でカラオケに行って歌うっていうのは、ド下手なりに楽しくはありました。

 

なぜ、嫌な事というのがあるのかというと、レベルが合わなすぎるのが原因なんです。

 

当時の僕には台本を読むのは、声が小さすぎて感情も込められず、全く楽しめない状態でした。

 

サーフィンイメージ

言ってみれば、全く泳げ無い人が、いきなりサーフィンの練習をするようなものだったのです。

 

必ず、自分の身の丈にあった、楽しいと感じる事をやっていきましょう。

 

習慣化するには、考えずにスケジュールに組み込む

私が歌を習慣化するには、もう1人運転する時は、大声で歌ってみるというのを決めたんです。

 

あるいは、日本にいる時は、家に帰る前に必ず、1時間300円の近所のカラオケボックスに寄るという事です。

 

カラオケボックスまで行って、結局歌わなかったという事もありません。

 

やっぱり、何となく楽しい事なので、そこまで全く考えずにやると習慣化すると、気がつくと何ヶ月も弱点克服に取り組んでいる事に自動的になる感じになります。

 

 

そうすると、気付いた時には、飛躍的に弱点が克服されています。

 

そして、これまた気付いたら、あがり症が少しづつ克服されていっている筈です。

 

まとめ

あがり症は、病院で保険で治療可能な病気でもある。

 

でも、原因が二つあり、脳に原因がある場合のみしか、病院での治療に効果は無い。

 

もし、過去に何らかのトラウマがあってあがり症になってしまった場合は、そのトラウマを克服するしかない。

 

そのトラウマの克服方法は、3つのステップを意識すると良い。

 

①自分で見つけるか人に聞くかして、自分があがって緊張する瞬間に、不得意に見えることを見つける

 

②いったん、あがり症のことを忘れて、自分の不得意なことを克服するという目標を掲げる

 

③その目標を達成するため、弱点の克服を楽しみながら、習慣化して長期間行う

 

その3つのステップを半年も継続すれば、あがり症が目に見えてよくなってくる。