多くの自分は口下手だと感じている人は、それを克服しようと、さまざまな試行錯誤をしていると思います。
しかし、本やネットで推奨されている口下手の克服方法は、『話し方のテクニック』などが中心で、『自分がどういう人間になりたいのか』という部分に重点がおかれいません。
実は、口下手を克服するには、『自分がどういう人間になりたいのか』という自己分析をしっかりといないと、決して、克服する事は出来ないのです。
口下手を克服するのに自己分析が必要な理由
さて、話し上手というと、誰を思い浮かべるでしょうか。
テレビの司会者のような話術に憧れている人なら・・・!?
明石家さんまさんのような、ハイテンションで話しまくる人を思い浮かべるかもしれません。
あるいは、タモリさんのような落ち着いた雰囲気の司会だったり、アナウンサーの様な真面目なトークに憧れている人もいるでしょう。
それぞれで、目指している場所が、まったく違いますよね。
こうやって会話には様々なスタイルがあるので、タレントのトークだけでなく、ビジネスマンとして口下手を克服したい人も、同じ問題を抱えています。
ある人は、ジャパネットたかたの社長のように、明るくハイテンションで商品説明をスラスラ言える人になりたいと思うかもしれません。
また、ある人は小泉純一郎元首相のように、短い言葉で、適切な事を印象的に話すという事がしたいのかもしれません。
高田社長を目指すのと、小泉総理を目指すのでは、進むべき道がまったく違うのは明らかですよね。
そうやって考えると、一口に『口下手を克服する』と言っても、まったく目指す方向が違うって事はあきらかですよね。
そして、目指す方向が違えば、ならなければいい事、やるべきでない事っていうのは、まったく違ってくるのです。
例えば、『溶いた卵はよくかき混ぜるべきか?』という質問に対する答えって、この質問だけでは答えられないはずです。
ケーキなどをつくる時は、よく溶いた方がいいかもしれませんが、親子丼の卵は、あまり混ぜない方が良いかもしれないし、ゆで卵を作るなら卵を割ってもダメなわけです。
だから、単純に『口下手を克服する!』とだけ目標を決めるだけでは、何をしたらよいかが明確にならず、なかなか口下手を克服できなくなってしまうのです。
口下手を克服するステップ①
『トークの目標とする人物を決定する』
ということで、まずは自分が口下手だと思っていて、それを克服したいと思っている人は、具体的に、誰のようなトークをしたいのかを明確にしましょう。
それが全く思い浮かばないのに、ただ漠然と自分は口下手だと思っている人は、ひょっとしたら、ちょっと考えすぎなだけかもしれません。
まずは、目標としたい人を決めて、その人のトークを、出来るだけたくさん聞いてみてください。
出来るだけ、その人のトークを聞く必要性があるので、なるべくYOUTUBEなどで見る事が可能な人物だったり、上司などの身近な人を参考にしましょう。
口下手を克服するステップ②
『目標とする人物のトークを分析する』
トークの目標とする人を決めて、毎日、大量に、その人の話を聞き続けると、だんだんと、その人の話の進め方の特徴というのがつかめてきます。
ちなみに、私は学生時代、ちょっと人前にたつと、とたんに口下手になってしまうタイプでした。
なので、それを克服するために、私はタモリさんのトークを目指すことをしたんです。
そこで私は、タモリさんのトークをたくさん聞いて、『無理にテンションを上げなくてよい』とか、『異常な事こそ、落ち着いたトーンで話す』など、多くのタモリ式のトーク・テクニックに気づきました。
そうやって、その目標とするトークをしている人の特徴を、最低、5つぐらいは書き出してみましょう。
口下手を克服するステップ③
『口下手の自分が克服すべき点を探す!』
目標したい人のトークの特徴を書いていくと、必ず、自分が克服すべき点というのが、見えてくるはずです。
例えば、私の例では、タモリさんのトークの特徴を色々と考えていった結果、次の3つを克服すべきだと思いました。
それは、色々な物事に関する、圧倒的な知識が足りない事。
声が小さく、相手に伝わっていない事。
そして、特に年上の相手に遠慮して萎縮してしまっている事です。
これは、口下手の人によって弱点は違いますし、誰を目指すかで、克服すべき事が全く変わってきますよね。
口下手を克服するステップ④
『一時的に、口下手の克服というのを忘れる』
ここまで来れば、あとは、目先の小さい目標を設定して、前に進むのみです。
私の例で説明してみましょう。
物事の知識が足りない事に対しては、もう、本やニュースを努力して読んだりすると決めました。
声の小ささに関しては、一人カラオケに通って、声を鍛える努力をしました。
年上の相手に対する萎縮に対しては、仕事の人と積極的に絡むと怖いので、嫌われても害が無いように、オフ会などを利用して、なるべく年上の人と接するようにしました。
そして、この時点で初めて、『大きな声の出し方』というような、口下手を解消するための本や、教室に通ったりしました。
そんな風にして過ごしていたら、気づけば、私の口下手は克服されていました。
同じ口下手といっても、それぞれ誰を目指すべきか、何を克服すべきかは、全く違うと思います。
今、講師として話し方セミナー的なところに行くと、特に今以上に『大きな声』だったり、『はっきりとした滑舌』が必要無いのに、一生懸命、それを練習している人がいます。
そうなってしまったら、時間・お金・エネルギーを使っているのに、なりたい自分になれないという、負のスパイラルにはまってしまいます。
なので、最初に誰を目指すのかという目標を明確にして、どうやって克服するのかというプランを立てて、口下手克服に挑戦してみてください。
そうすると、自分が想像していた以上のスピードで、コンプレックスが解消するはずです。
まとめ
口下手を克服したい人は大勢いるが、多くは、テクニックに走っていて、根本的な解決につながらない事をしている。
その理由は、『どういう自分になりたいのか』が明確になっていないから。
それを明確にするために、自分が憧れるトークをしている人を見つけ、その人のトークを日夜、聞くべきである。
そうすると、自分が、どんな事をしたら、その人のトークに近づけるかが見えてくる。
そうなったら、いったん、口下手の克服というのは忘れて、具体的な『大きな声を出せる身体をつくる』などに集中していくと良い。