今から10年以上も前の話ですが、私は高校を卒業した後に、アメリカに留学に行きました。
留学して、すぐに気づいた事がありました。
それは、アメリカに長く暮らしている日本人だからといって、必ずしも英語が上手というわけじゃないという事です。
アメリカで数年暮らせば、自動的にペラペラになれると思っていた私にとっては、かなり衝撃的なことでした。
そこで、『英語を効率良く上達させるコツはないのか?』というのを、独自に色々と調べたり実践していくなか、
『面倒だけど発音記号を覚える』という事にチャレンジしてみました。
すると、私の英語力が飛躍的に伸びたんです!
そのおかげで、20代前半からNHKの海外向け英語ニュース番組で、ディレクターとして働く事ができました。
最近、日本でも外国人を見かけるようになってきていて、以前にも増して英語学習に力を入れている人が多いみたいですよね。
なので、今回は、私が留学の時に気づた英語上達のコツである、『面倒でも発音記号を覚える』という事の重要性をお知らせします。
日本語学習に置き換えて、英語上達のコツをイメージしてみる!
英語の学習方法にも、いろいろなのがあります。
それが効果的なのか、そうでないのかを考える時は、日本語学習に置き換えて考えるのをオススメします。
という事で、発音記号学習が、なぜ英語上達のコツなのかを、日本語学習に置き換えて説明していきます。
英語の発音記号は『あいうえお』
英語って、中学生になって勉強して最初につまづくのが、ABCとアルファベットを覚えてもスペルと発音が一致しない事ですよね。
例えば、『know』という単語が、『ノウ』と発音されるとか先生に説明されて・・・!?
『だったら、know の先頭のKなんか取っちまえー!』なんて、怒りを感じた人もいるでしょう。
それに引き換え日本語は、『あいうえお』の50音の発音をマスターしておけば、知らない言葉だって正確に発音できてしまいます。
では、英語において、日本語の『あいうえお』にあたるのは何かと言えば、発音記号なのです。
でも、日本人は発音記号を、あんまり本格的に学びません。
日本人は『あいうえお』を知らずに、英語を話そうとしている!?
この時点で、日本の英語教育のおかしさを感じてしまいませんか?
日本語を学んでいる外国人が、『は』と『あ』の区別がつかないと言っていて、『ハート』だか『アート』だか分からない事を言っていたら・・・!?
確実に区別ができるまで、何回も口で言ったり耳で聞いたりしながら、『あいうえお』の練習をするべきだと思いますよね。
でも、日本人は『seat(席)』と、『sheet(シート)』の発音の違い全く分かってなくも、それを大きな問題と捉えないんです。
日本人が英語を聞けずに、話せない理由
これだけ説明しただけで、何となく分かったと思います。
日本人の多くが、あれだけ学生時代に英語に時間を費やすのに、英語を話せるようにならない理由は・・・!?
『あいうえお』を正確に発音し聞き取る事が出来ないまま、日本語をマスターしようとしているような、とっても無茶な事をしているからなのです。
英語の発音記号を学んで変わる事
研究者によって分け方が異なるみたいですが、英語には約60の音があります。
その具体的な学び方は、『あいうえお』を覚えるのと同じです。
お手本を1音1音しっかり聞いて、口に出して練習するしかありません。
具体的に、どうやって学ぶかは次の項目で書く事にして、先に、発音記号を学ぶと、どんな効果が現れるかを紹介します。
まずリスニングが飛躍的に伸びる
意外かもしれませんが、最初にリスニングが伸びてくるんです。
どんなにお手本を聞いて、それを繰り返し言えるようになる練習をしても・・・、
英語で話しかけられた時に、瞬時に習ったばかりの発音で切り返すのは至難の技です。
ですが、自分の口で1度でも言えた音というのを、耳はしっかりと『ああやって出す音だな!』と記憶してくれるんです。
それを経験すると占めたもの!
英語を聞く時に、英語の音を日本語に当てはめて聴くという状態から、英語の発音記号で聞くという状態に切り変わり始めるのです。
いわゆる英語耳というやつに、変わるんだと思います。
※もちろん、一瞬で完璧にはなるわけではなく、積み重ねが重要です!
次に自分の英語が通じるようになる
そうやって、英語耳になってくると、1音1音いちいち発音記号のお手本を聞かなくても、英会話を聞くだけで『新しく習った音』のお手本を聞くという事になってきます。
つまり、ちょっと英語に触れるだけで、『発音』のお手本を耳にすることになるわけです。
そんな状態になってきてからさらに、自分の口で発音記号を正確に言う練習を続けると・・・!?
ものすごく集中して発音する必要があった『新しく習った音』を、徐々に自分でも無意識に使えるようになってきます。
発音の習得というのは、自転車に乗るのを覚えるのに近いと思います。
最初は顔の使ったことのない筋肉を使い、耳を最大限に集中させる必要があります。
なので、1時間も練習したら、昼寝したくなるほど疲れます。
でも、それを10日やったら、10日目にはあまり疲れないし割とスムーズに言える様になっている自分に驚いてしまうはずです。
そして、3ヶ月くらい真面目に続けたら、想像以上の効果が出ているはずです。
英単語が覚えやすくなる
また、発音記号をしっかり覚えると、英単語を覚える能力も上がるんです。
例えば、発音記号を練習する前は、rake(かき集める)をレイク、lake(池)をレイクと、日本語に当てはめて全く同じ音の様に覚えている人が多いと思います。
そういう状態だと、『レイクってなんだっけ?』と考えた時に、『池の方しか思い出せないな〜。』となりがちです。
ですが、正しく『rake (réik)』と『lake (léik)』を認識して、RとLを『あいうえお』の一音が違うのと同じ様に、全く別物の音と認識するとどうでしょう・・・?
もう、別物という認識で始めから覚えようとするので、覚えるのが圧倒的に楽になります。
これも日本語の学習に置き換えて、考えてみましょう。
英語に『ǽ』という、日本語の『あ』と『え』の中間の音の様な発音記号があります。
もし、日本語を学習中のアメリカ人が、五十音の『あ』と『え』を全く同じ音で『ǽ』であると認識していたとします。
そして、『蟻(アリ)』と『襟(エリ)』を、『ǽri(アエリ)』という感じで発音していて、二つの意味がわからないと困惑していたら・・・!?
『とりあえず、別の単語ってわかる様に発音をきっちり覚えたら、意味がすぐに覚えられるよ!』とアドバイスしたくなりませんか?
それと同じです。
そうやって正しい発音で身につけた後に英語を聞くと、耳で何回も正しい音で聞くことになります。
そうなってくると、単語帳とニラめっこしているだけが単語の勉強、という段階から卒業できて、
英語を聞いているだけでも、ある程度の単語力をつける事ができる様になってきます。
英語の発音記号学習のやり方
最後に、英語の発音記号を、効率よく学習する方法を紹介します。
オススメは日本語を話せる講師に習う
私が一番効率が良いと思うのは、英語も日本語も話せる先生に発音記号を習う事です。
日本語も英語も両方しっかりと話せる先生なら、ネイティブでも日本人でも構いません。
なぜなら、英語しか話せないネイティブの先生の場合、発音の微妙な部分の説明が全部英語になりますよね。
おそらく、発音を学ぼうとしている人の英語力は、そこまで高くないはずなので、やめておくのが無難です。
また、先生が具体的に、日本語と英語の音の違いを説明してくれたら、とっても学びやすいはずです。
それを説明ができるのは、日英、両方話せる先生だけですよね。
私はTLL語学研究所で習いました
ちなみに、私はアメリカで最初習おうとしましたが、難しくて断念しました。
なので、留学中、2ヶ月ほどあった夏休みに帰国しました。
そして、TLL語学研究所という、BBT大学などで講師をされている竹村和浩先生が運営している英語教室で、マンツーマンレッスンを受けました。
当時、学割もしてくれましたし、今ほど先生が大ブレイクしていなかったので、割とリーズナブルな値段でしたが、今はわかりません(笑)
東京在住の方には、とってもオススメの教室です!
自分で学ぶにはCD付き教材
でも、誰かに習う時間やお金がないという人は、CD付きの本がオススメです。
特にオススメなのは、昔からの発音学習の定番とも言える、この本です
これを根気よく、3ヶ月ほどやりこめば、明らかに自分の英語力が高まっている事を実感できると思います。
まとめ
英語学習の効果があるか無いかを考えるときは、日本語に置き換えて考えると分かりやすい。
日本語に置き換えて考えると、英語の発音記号を学習しないのは、日本語を学ぶ時に『あいうえお』を学ばない様な事。
よって、英語の上達のコツは、英語の発音記号を学ぶ事。
発音記号を学ぶと、まずリスニングがよくなり、次に話す事が得意になり、さらに単語を覚える力も上がる。
発音記号を学ぶ時には、お手本を聞いて繰り返し自分で言うしか無い。
そして、それを学ぶ時には、日本語と英語の両方を話せる先生に習うのがオススメ。
でも、先生に直接習えない場合は、CD付きの教材で学習すると良い。