新しく人脈を広げるために、積極的に、エライ人・一流の人と出会うようにしている人は多いですよね。
私も放送作家と名乗り始めた頃、テレビ業界の人脈を広げるために、積極的に人と会うようにしていました。
でも、エライ人と会うチャンスがあっても、それを生かせる人と、そうでない人に分かれます。
20代前半の頃の私は、明らかに、『人との出会いを生かせないタイプ』の放送作家でした。
なので、1回だけ会話をした事があるという人は、どんどん増えていったのですが、『人脈がある』とは言えない状態が続いていました。
そこで、これではダメでだと、色々な人脈作りの研究をしました。
その結果、自分が過剰な『イエスマン』だった事に気づき、そのせいで、人脈を広げるのが難しかったのだと気付いたんです。
人脈を広げるため会話で、”イエスマン”になってはダメな理由
一般的に、エライ人と接するとき、とにかく『失礼な会話をして、嫌われてはイケナイ』って、強く思いますよね。
そうすると、偉い人が何を言っても、『そうですね!』とか、『さすがですね!』という、お世辞しか言わない状態になってしまったりします。
でも、そういう『イエスマン』状態になってしまっては、一流の人との雑談が弾まず、まず仲良くなれません。
なぜなら、ほとんどの人にとって、イエスマンは不快な存在だからなのです。
例えば、洋服を買いに行った時を思い出してみてください。
明らかに、誰が見ても似合っていない洋服を試着した時に、店員さんにニコニコして『お似合いですね〜!』と言われたら白けませんか?
客の私たちは一瞬で、店員さんは本音を言っていなくて、商売のためにイエスマンに徹しているんだという事を理解すると思います。
そこを見抜いてしまうと、その後、その店員さんに『何か別のオススメの服を紹介してもらいたいな!』とか、会話を膨らます方向の事は思わないですよね。
それと同じように、影響力のある人は、イエスマン的な人に寄ってこられると・・・!?
『特に話す価値がないんだけど・・・』と、煙ったく思ってしまう可能性が高いのです。
それどころか、『この人は、きっと自分を利用できる人脈にしたいと考えて、 イエスマンに徹しているんだろうな』というような、誤解が生じる危険性すらあります。
だから、人脈を広げるためには、『誰に対しても対等な立場で会話をする』という事が、必須になってくるんです。
人脈を広げる雑談が、『対等』であるべき理由
よく、社長やリーダーが孤独だという言葉を耳にしませんか?
でも、同時に社長やリーダーって、いつも大勢の人に囲まれているイメージもありますよね。

では、なぜ孤独と言われるのかというと、偉くなれば偉くなるほど周りにイエスマンが増えていって、本音で接してくれる人が周りにいなくなってしまうからなのです。
だから、偉い人というのはイエスマンを避け、自分に対して『本音』を言ってくれる人を大切にする傾向があります。
だから、人脈を広げる話題とは、『自分の本音を語る』という事なのです。
はたから見ても、イエスマンは痛々しく面白くない
例えば、テレビのバラエティー番組の会話にも、その構図が現れている事があります。
若手芸人は誰でも、大物芸人と仲良くなりたいものですよね。
だから、ほとんどの若手芸人は、『嫌われる会話をしたくない!』と、大物芸人の番組に出演するとイエスマンに徹してしまいます。

ですが、イエスマンに徹して本音を言わない若手芸人を、大物芸人は、あまり気に入らないのです。
実際、売れているひな壇芸人の多くと、大物MCとの絡みに注目してください。
売れているひな壇に多くは、相手が誰であっても、自分の意見や感想をぶつけていっています。
実際、その大物とひな壇芸人の意見のぶつかり合いを、視聴者として見ていても面白いと感じますよね。
それと同じように、大物本人だってイエスマンと接しているより、多少の意見のぶつかり合いがあったほうが楽しいし、価値のある時間が過ごせるのです。
一時期の品川庄司の品川祐さんは、後輩にはガンガン意見を言うのに、大物には迎合する傾向がありました。
なので、つまらない人ではないですが、視聴者的にも、大物MC的にも積極的に見たい人ではなくなり、あまりキャスティングされなくなってしまったようですね。

志村けんさんは、『本音』を言う若手を自分から育てている
さらに、大物芸能人にとって、『本音』を言ってくれる若手がいかに大切かは、志村けんさんのエピソードでよく分かります。
以前、志村さんは、自ら後輩が積極的に『本音』を言える環境を整える努力をしていると言っていました。
やっぱり、志村さんクラスの大物になると、あまり接したことのない若手芸人は、萎縮してしまいがちだそうです。
なので、多くの若手は最初、志村さんにイエスマン的な会話をしてしまい、志村さんのボケに対してビシっとツッこめなかったりする事もあるようです。
そのため、志村さんは、後輩を連れては女の子のいる店に喋りに行き、冗談を言ったり突っ込んだりと、そういう会話を増やす努力をしているそうです。
志村さんに限らず、どんな業界であれ、偉くなった人であればあるほど、周りから萎縮されてしまい『本音』が聞けない環境にいます。

なので、一流の人との人脈を本当に広げるには、『本音』を偉い人に勇気をもってGIVEする事で、ギブアンドテイクの関係を築きましょう。
※くれぐれも、相手に自分の意見をぶつける事が、『失礼な事をしても良い』と同じ意味だと勘違いしないでくださいね。
人脈を広げるために、”イエスマン”を卒業する方法
とはいえ、今までイエスマンに徹していた人が、『偉い人と対等し本音を語る』という方向にシフトするのは、ものすごく勇気が必要ですよね。
『もし何か変なことを言って、一流の人を怒らせてしまったら』とか、『偉い人の地雷を踏まないか』が、 とっても気になってしまうと思います。
でも、そこは気にする必要は全くありません!
勇気を出して、『人脈を広げる話題とは本音を語る事だ!』と、一流の人と対等に接する努力をしていった方が良いのです。
その理由は、大きく分けて2つあります。
1つ目の理由は、一流の人の周りには、イエスマンが大量にいるという事です。
イエスマンになるのは簡単で、ただ笑顔で『はい!』とか、『そうですよね!』と言っておけばいいだけで、努力も何も必要ありません。
もちろん、そのイエスマンの世界の中でトップになれば、一流の人もあなたの存在に気づいて、仲間に入れてくれるかもしれません。
でも、それってライバルが多すぎます。
しかも、生まれ持っての太鼓持ちキャラ的な、イエスマンに徹して一流の人脈を築くのは不可能だと思います。
だから、自分には、お笑い芸人のサバンナ高橋さんみたいな素質あると思う人以外は、イエスマンのトップを目指すべきではないと思います。
次の、2つめの理由は、もっと単純明快です。
イエスマンとして接しないと地雷が爆発する可能性のある人とは、人脈を広げるべき人物ではないので、イエスマンを止める事を迷ってはいけません。
私の推奨する『誰とでも対等に接する』というは、失礼な事をして良いと言っているわけではありません。
あくまでも、過剰なイエスマンではなく、『自分の個』を殺さずに 相手に接しようという意味です。
もし、失礼な事に腹を立てるのではなく、自分と違う考えを持つという事に腹を立てている人がいたら、どこかに必ず欠陥があるはずです。
なので、そういう人とは、積極的に人脈を広げるべきでは無いと思います。
というわけで、一流の人と人脈を広げるためには、出会いの数を増やすだけでなく、できるだけ『対等』で、『本音』で接するように心がけてみましょう。
そうすると、自然に会話が膨らみ、偉い人の方から『君の話を聞きたい!』と連絡してくれる関係になれる可能性が高まります。
まとめ
人脈を広げる事を考えている人は、とにかく誰とでも仲良くしようと、『イエスマン』に徹する人が多い。
でも、自分の考えを一切述べないイエスマンは、逆に嫌われる可能性がある。
実際、テレビを見ていても、イエスマン的な人の会話は面白くないし、偉い人がイエスマンを好んでいるようには見えない。
また、志村けんさんに至っては、自分で大金を使って、若手がイエスマンにならないように教育している。
なので、人脈を広げる事を考えるなら、勇気を持ってイエスマンを卒業する事が大切だ。